最近、高齢者の方が熱中症に罹られ、重い症状になられたというニュースをよく耳にします。
もちろん、屋外で熱中症に罹られる方が多いのですが、直射日光の当たらない屋内でも熱中症に罹ってしまうんです。
高齢者の方は、若い方よりものどの乾きを感じにくくなりますので、水分の摂取量が体が必要としている量に比べ少ない傾向があります。
私達の体は、体に水分が不足すると脳が水分補給の指令を出すのですが、高齢者の場合はこの働きが衰えています。
熱中症と言えば、炎天下で激しいスポーツをしている時に罹りやすいというイメージを抱き易いのですが、実際に、熱中症の発生カ所の割合(23年度 東京都調べ)の1位(40%近く)は直接日光の当たらない室内で起きています。
高齢者は加齢と共に暑さを感じにくくなり、汗が出にくい体質になり、高温多湿で無風の場合はうまく熱を体外に放出できなくなっています。 熱を体外に放出できなくなると、体温が上昇することで、体内の水分や塩分が低下し、脳への血流も不足してその機能まで低下してしまい、熱中症になります。
発見と手当が早ければ軽症で済みますが、重傷化すると、頭痛や嘔吐、めまいやだるさを感じたり、さらにひどくなると、命に関わる危険な状態となります。
高齢者の方と一緒にいる人はこまめに水分摂取するように声をかける事が重要です。
特に高血圧の人は注意が必要です。
高齢者は成人に比べて熱中症を自覚するタイミングが遅い傾向がありますので、気付いたときには重症化していることも多いようです。 熱中症とは、文字通り熱が体の中に篭(こも)る病気なので、体温や唇の渇きなどから調子が悪くないか観察が必要です。
もちろん、高齢者の方のみならず熱中症になる危険性は誰もが持っているものですので、高温多湿の場所に長時間いる事は出来るだけ避け、こまめな水分補給(おススメはスポーツドリンク)を心がける事が大切です。
もし熱中症になってしまった場合の対応としましては、
・涼しい場所で体を横にして休ませる。
・スポーツドリンクや、食塩水を補給させる。
・首や脇の下、足など(大きい血管がある場所の近く)を、冷やして体内に篭った熱を下げる。
このような処置が大事になります。
節電も大事ですが、それで体調を壊すようでは元も子もありません。
無駄は省いても、無理はしない事が大切かと思います。
ちょっとの心がけで大切な命を守ることもできますので、環境に応じた対策を考え、柔軟なご対応をおススメいたします。